文の里ブログ
「歯周病を治せば血糖値が下がる?」お口と糖尿病の意外な関係
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はじめに
こんにちは。阿倍野区、地下鉄谷町線「文の里駅」からすぐの「文の里歯科クリニック」です。
皆さんは、歯科医院に通う理由といえば何を思い浮かべますか?「虫歯が痛むから」「歯石を取ってスッキリしたいから」といった理由が一般的かもしれません。しかし、近年の研究で、お口の健康状態が全身の病気、特に「糖尿病」と密接に関わっていることが明らかになってきました。以前にも「全身疾患と歯周病の関係」としてお話しましたが、よく質問されるので改めて「糖尿病との密接な関係」についてご説明しようと思います。
「歯医者で糖尿病の話?」と驚かれるかもしれませんが、実は歯周病の治療をしっかり行うことが、糖尿病のコントロールに繋がっています。今回は、なぜ歯周病と糖尿病が「相互に悪影響を及ぼし合う」のか、そして私たちが今日からできる対策について詳しく解説します。
1. 歯周病は「お口の中の感染症」
まず、歯周病について正しく知っておきましょう。歯周病は、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に繁殖した細菌が原因で起こる炎症性の疾患です。
初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、放置すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。しかし、問題は「歯を失うこと」だけにとどまりません。歯ぐきで炎症が起きると、その炎症によって作られた有害物質が血管を通じて全身に回ってしまうのです。
2. なぜ歯周病で血糖値が上がるのか?
ここからが本題です。歯周病が悪化すると、歯ぐきの炎症部位から「サイトカイン」という物質が血液中に放出されます。この物質が厄介なのは、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを妨げてしまう点にあります。
つまり、お口の中に慢性的な炎症(歯周病)があるだけで、体はインスリンが効きにくい状態になり、結果として血糖値が下がりにくくなってしまうのです。
ポイント: 歯周病は、いわば「全身の血糖値を上げる毒素を出し続ける蛇口」のようなものです。
3. 糖尿病が歯周病を悪化させる「負のループ」
逆もまた然りです。糖尿病の方は、そうでない方に比べて歯周病の発症率が約2〜3倍も高いというデータがあります。
- 免疫力の低下: 高血糖状態が続くと、細菌に対する抵抗力が弱まります。
- 組織の修復力の低下: 血管にダメージが蓄積されるため、歯ぐきの傷が治りにくくなります。
- 口の渇き: 唾液の分泌量が減り、自浄作用が低下して細菌が繁殖しやすくなります。
このように、歯周病が糖尿病を悪化させ、糖尿病がさらに歯周病を深刻化させるという、恐ろしい「負の連鎖(ループ)」が生まれてしまうのです。
4. 歯周病治療で「ヘモグロビンA1c」が改善する?
明るいニュースもあります。多くの研究報告によると、適切な歯周病治療(スケーリングやルートプレーニングなどのお掃除)を行い、お口の炎症を抑えることで、糖尿病の指標である「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」が改善することが分かっています。
一部の報告では、歯周病治療による数値の改善が、薬物療法1種類を追加するのと同程度の効果があるほどです。内科で「血糖値が高い」と指摘されている方は、ぜひ一度歯科検診を受けることを強くおすすめします。
5. 文の里歯科クリニックで取り組む「予防とケア」
当院では、単に痛みを取るだけでなく、全身の健康を見据えたメンテナンスを大切にしています。
- 徹底した歯石除去: セルフケアでは届かない歯周ポケットの奥まで洗浄します。
- ブラッシング指導: 一人ひとりの歯並びや生活習慣に合わせた「健康になる磨き方」を伝授します。
- 定期的なモニタリング: 歯ぐきの状態を数値化し、長期的な変化を追いかけます。
阿倍野区周辺には多くの歯医者さんがありますが、私たちは患者様が10年後、20年後も自分の足で歩き、美味しく食事を楽しめることをゴールにしています。
まとめ:お口は全身への入り口
「たかが歯ぐきの腫れ」と侮ってはいけません。お口を清潔に保つことは、心臓疾患や脳血管疾患、そして今回のテーマである糖尿病の予防・改善に直結します。
もし、ご家族やご自身に糖尿病の既往がある場合、あるいは最近歯ぐきから血が出るという場合は、遠慮なくご相談ください。文の里駅周辺の皆さんの「お口の門番」として、誠心誠意サポートさせていただきます。
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